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上司から何度も「会社を辞めたらどうか」と退職を勧められています。私としては会社を辞めるつもりはないので、断ってもよいですか?
退職勧奨とは、会社が従業員に対して、自発的に退職をするように促す行為をいいます。例えば、希望退職者を募集するなどがあります。
退職勧奨は、使用者は原則として自由に行うことができる一方、労働者もこれに応じる義務はないとされます。
従いまして、退職勧奨に応じるつもりがないのであれば、断ることができます。
次に、退職しない意思を伝えたにもかかわらず、退職勧奨や退職強要が止まらない場合はどのような問題があるでしょうか。
この点、退職勧奨は原則として自由に行うことができますが、一定の限界があります。一般的に、社会的相当性を逸脱した手段・方法による退職勧奨は違法とされ、損害賠償請求が認められたり、違法な退職勧奨に応じてした合意退職や辞職が無効・取消の対象となったりします。
裁判例では、
などから、違法性を判断しています。
例えば、4人から6人程度の大人数で面談したり、机を叩いて大声を出すなどは労働者を圧迫させるようなものや、「退職勧奨に応じないなら解雇する」と言った発言は違法と判断される可能性があるものになります。
他方で、退職勧奨に消極的な意思を表明した場合でも、メリットデメリットを説明・説得し意向聴取をしたり、再検討を求めたり翻意を促したりする行為は社会的相当性を逸脱しない限り許容されるとし、退職勧奨に応じない意思が堅固であり、退職勧奨のための面談には応じられないことをはっきりと明確に表明した後は、それ以降の退職勧奨が違法と評価されることがあり得るとする裁判例もあります。
そのため、退職勧奨に応じないと決めた場合には、はっきりとこの旨を伝えるようにしましょう。
退職勧奨=解雇ではありませんから、退職勧奨をされたからといって応じる義務はありませんので、辞めなければならないのではないかとショックを受ける必要はありません。
退職勧奨は、場合によっては早期退職者募集のように退職金の上乗せがあったり、応じるメリットがある場合もあります。もっとも、本来は解雇事由がある場合でも、労働者に配慮して解雇を回避するための手段として退職勧奨が行われる場合もあります。この場合には、退職勧奨に応じないことで解雇のリスクが高くなることには注意が必要です。
これを機会に自分の将来について検討することが必要だと思います。他方、退職勧奨は、パワハラやセクハラの一環・延長としてなされたり、解雇できない従業員を辞めさせるために強硬に行われるなど、違法なものもあります。
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